脳梗塞による言語中枢の損傷は深刻だった。
医師や看護師が声をかけても、狩俣さんの口から出るのは「あー」、「うー」といった、意味のない音だけ。文字も読めない。家族の顔は認識できても、名前が出てこない。さらに追い打ちをかけたのは、コロナ禍による面会制限だった。
「2週間(家族に)会えなかったんですよ。僕は全然そんなこともわからず、みんな忙しいのかなと思っていました。会えないことがとても悲しくて悲しくてね」
得意の英語を駆使して、国際イベントの司会もこなした日々が、遠い過去のようだった。








