アメリカ軍普天間基地の辺野古移設をめぐり、アメリカ軍の幹部らが抑止力の観点から「普天間も辺野古もキープすべき」とする論文を発表したことを受け、13日、玉城知事が反論しました。

アメリカ海兵隊と自衛隊が合同で訓練を行う様子とともに掲載された論文。
この論文は今月3日、アメリカのシンクタンク「大西洋評議会(AtlanticCouncil)が発表したもので、所属するアメリカ海兵隊の中佐が連名で執筆しました。

論文では、普天間基地が「比較的静かで安全な基地になっている」とした一方、名護市辺野古の新しい滑走路は「普天間ほど長くなく、高機能でもない」として、「普天間と代替施設(辺野古)の両方をキープし、普天間は日米で共同使用すべき」と主張しています。
論文の主張の要点は大きく分けて3つ。
(1)アメリカ海兵隊のグアム移転は中国に対する抑止力を弱める恐れがある
(2)中国の動きが活発化し、アメリカと沖縄の関係も改善している今こそ、海兵隊の再編計画を再交渉すべき
(3)再交渉では、一般的に全国で最も経済的に不利な沖縄に対する経済的優遇措置や県内における自衛隊と米軍の配置の検討に重点を置くべき
経済的な優遇措置が重要とする根拠にあげているのが、県内の選挙結果。
2024年に行われた沖縄県議会議員選挙で、「長年、在日米軍を反対してきたオール沖縄勢力が過半数を割ったことから、経済的な問題が県民の最大の関心事であることが分かる」と言及しています。
論文では再編計画が合意された頃と比べ、沖縄における米軍の犯罪率は「はるかに低くなっている」と主張していますが、沖縄県によると去年県内ではアメリカ軍関係者による刑法犯の検挙数が過去最多となっていて、論文における主張の裏付けには疑問が残ります。

こうした論文の内容を受け玉城知事は、「あくまでも個人的な論文であると承知している」としたうえで、普天間基地の危険性の除去について「辺野古移設に関わりなく、早急に手立てを講じるべき」などと反論しました。
また、アメリカ海兵隊のグアム移転をめぐっては、「沖縄の基地負担軽減のためには確実に実施されるべきであり、県が求めている基地の整理縮小・負担軽減と逆行するようなことはあってはならないと、これも絶対条件だと我々は突きつけたい」
普天間基地の騒音被害を20年以上訴える市民らは。

▼普天間爆音訴訟団・桃原功副団長「何を言っているんだと。日米は96年に合意のもとに普天間基地を返還すると、そのあと後付けのように辺野古に新基地建設、移設するんだということがあったが、私たちは即時返還・即時閉鎖を求めています」
このほか論文では、2015年に与那国町で行われた住民投票で自衛隊配備が支持されたとして、一部の海兵隊を本島外に移転する必要がある場合は、自衛隊と協力し海兵隊を与那国にローテーションまたは一時的に配備することを提案しています。
アメリカ軍普天間基地の辺野古移設をめぐってアメリカ軍の別の幹部は、「辺野古新基地の滑走路の規模では、大型の輸送機の離着陸ができない。嘉手納基地を使う頻度が上がるだろう」などとも話しています。
辺野古移設工事が加速するなか、県が求め続けてきた基地負担軽減の根幹を脅かしかねない主張の高まりに懸念が広がっています。








