自衛隊員・家族に「温かい言葉を」と求めた小泉防衛大臣

小泉防衛大臣(国会答弁):
「沖縄でこの前、(自衛隊の)家族会の方から、新入隊員の訓練の場所において、一部の抗議活動で、せっかく自分で思いを決めて自衛隊に入ったのに、心ない声がぶつけられる。家族・隊員、あわせてですね、温かいお言葉をかけていただければと思います」

自衛隊への抗議をけん制する流れに、平和教育の専門家である琉球大学の北上田准教授は、「抗議の本質」を見ているのかと、釘を刺します。

北上田源 琉球大准教授:
「抗議の声を上げてきた方々は、決して自衛官個人のことを憎いと思っているわけじゃない。組織の問題への批判の声のはずなのに、“自衛官個人への差別” となり、問題が何なのか凄く見えづらくなった」

北上田源 琉球大准教授:

「沖縄戦の教訓はずっと残り続けていますよね。それは一言で言うと、軍は住民を守らないという教訓。それがあるからこそ、自衛隊が配備された時から、自衛隊は日本軍と同じなのではないか。私たちはやっぱりまた守られないんじゃないかと不安に感じたからこそ反対が多かったと思う」

沖縄戦で県民を戦闘に巻き込み、おびただしい犠牲を出した、日本陸軍の第32軍。その軍と自衛隊の繋がりを示すかのように、陸上自衛隊第15旅団は、今年リニューアルしたホームページに、第32軍の牛島満司令官の「辞世の句」を掲載しています。

牛島満第32軍司令官の辞世の句を掲載する陸上自衛隊第15旅団のHP

今年中谷前防衛大臣は、この句に対してこう述べています。

中谷前防衛大臣:
「先の大戦において、犠牲になった方々に心からの哀悼の意を表して、その教訓をいかして平和をしっかり願う歌と受け取っております」

北上田源 琉球大准教授:
「沖縄戦でも日本軍が入ってきて、サポートしたのが沖縄県だったわけですよね。行政や議会に関しては、意識的に、もう少し警戒すべきなんじゃないかなと思っています」

地域に将来、どのようなリスクや負担があるのか、自衛隊機能強化による本質的な議論は深まらないなかで、来年は一層の機能強化が控えています。