文部省(当時)の学習指導要領改訂によって、小中学校の入学式や卒業式で日の丸を掲揚し、君が代を斉唱することを「徹底する」ことが各学校に求められるようになったのです。義務化後初めての入学式を映した映像には、戸惑う保護者たちの様子が映されています。
当時の保護者
「本来父母にとっては子どもの成長を喜ぶ楽しい入学式であるべきなのを、そういう日の丸・君が代の押し付けによって、どういう対応をしようか、立とうか、座ろうか、みんな悩みますよ。今度の学習指導要領の改定で強制になったということに対してものすごい反発がある」
今回の決議可決を前にした議会答弁で市の教育委員会は、直近の卒業式と入学式では市内すべての小中学校で国歌斉唱が行われたと答えたうえで、アンケート調査実施には慎重な姿勢を繰り返し示してきました。
▼石垣市 教育部長の議会答弁
「本市は戦後80年を迎え、沖縄戦を経験した地域のひとつとして、平和への思いが強く根付いております。市民の皆さんの中には、国歌に対する考え方や感じ方に多様な意見が存在していると考えております。以上のようなことから、児童生徒を対象とした国歌君が代の歌唱に関するアンケートの実施は、現時点では非常に難しいと考えております」