高校・大学は、タンブリング施設が充実する静岡に拠点を置き、19歳で世界シニアデビューを果たした又吉は、演技最後に見せる大技「伸身2回宙返り3回ひねり」と演技の美しさを武器に、3年前のワールドカップ(2022年6月)では日本人初のメダル、銅メダルを獲得するなど世界で活躍してきました。

それでもタンブリングはどこでもできる競技ではありません。大学卒業後は沖縄に戻ることを決めていた又吉は、競技を離れることを考えていましたが、沖縄に戻り目にしたのは、父・健一さんが新設したタンブリングの練習施設でした。



使われていない倉庫を買い取り、タンブリング用の床は、県外の知り合いから譲り受けた、決して新しいとは言えないものでしたが、指導と競技を続けるには十分な施設でした。

沖縄初のタンブリング教室を新設して2年が過ぎ、日本代表としても競技を続ける又吉は今、指導を受ける子どもたちの憧れの存在になっています。



ー将来の目標は?
「世界に誇るタンブリング選手です」
「健斗先生を超えるタンブリング選手です」

▼タンブリング 日本代表 又吉健斗選手
「多分自分だけでやっていたら、こんなに上がって来られなかったので、子どもたちとやっていることによって、パワーをもらえているというのは、めちゃくちゃ感じます」



静岡時代と比べ、充実しているとは言えない環境でも、今年6月の全日本選手権で2連覇を達成し、高難度の演技構成で日本歴代最高得点をマークした又吉は、11月には世界選手権に挑みます。日本代表として世界大会に臨むのは、これが“最後”だと決めています。