偵察機「トンボ」に見つかった祖父母



安里さんの祖父母は、食糧を調達するところをトンボに見つかり、犠牲になったといいます。

▼安里嗣則さん(85)
「お父さんが確認して、ここらで吹っ飛んでいると表現していた。もう無いんですよ。人の皮膚なんでも、すごい勢いで。『おじいちゃんおばあちゃんは、諦めろ』と言われた」

安里さん一家はサイパン島をさまよい、バンザイクリフにたどり着きます。多くの日本人が追い詰められ、自ら命を絶った場所です。近くの砂浜で日本軍の将校に会い、衝撃的な光景を目の当たりにしました。



「『ここはもうバンザイクリフだよ。お前ら自殺するつもりか?』と言われ、親父は『いや、そんなことはしない』と口論していた。『私はここで腹を切るからね。あんたがたも私と一緒に腹を切れ』と将校に言われた。『腹を切ります』と言うと、『確かだよな』と確認して、僕らの目の前ですぐ腹を切りよった」

安里さん一家はバンザイクリフから離れ、その後は捕虜となり終戦を迎えました。