国指定天然記念物で絶滅危惧種に指定されているジュゴンとみられる生物の写真が29日、沖縄県・久米島の近海で撮影されました。
県が現在、詳しい情報を確認していて、今後は関係機関と連携し、久米島近海での調査も検討するとしています。
RBCのスクープ投稿に寄せられた写真には、岩場の間を泳ぐジュゴンとみられる生物が写っています。
目撃者によりますと29日午前10時頃、久米島の南西およそ100メートルの沖合でダイビング客4人を連れて泳いでいたところ10メートル余り先の岩陰から突然、ジュゴンとみられる生物が現れたということです。
▼目撃者 久米島ダイビングセンター SHIRAHAMA 紙治美さん
「本当に思いもよらない出会いだったのでもう衝撃的で、ヒレの形だったり顔だったり体の形から、サメでもイルカでもないなというところで、これはジュゴンなんだと実感しました」
目撃されたのは、紙さんが普段からダイビング客を案内するエリアで、ジュゴンの餌となる藻は生えていないということですが、ジュゴンとみられる生物は水深約5メートルの場所をゆっくりと島の西側に泳いでいったということです。
▼目撃者 久米島ダイビングセンター SHIRAHAMA 紙治美さん
「すごかったね、なんか夢のよだねっていうちょっと信じられない感じ。目と目を水中で見合わせて、もう体いっぱいでワーッとものすごく皆さん大興奮をなさっていました」
この写真について県環境科学センター総合環境研究所の小澤宏之所長は、「尾びれや頭部の形状からジュゴンと判断できる」としています。
また小澤所長は、「目撃された場所に住みついているか、ほかの場所から流れてきたものかは分からない」としたうえで「久米島周辺にも良好な藻場があり、ジュゴンが生息していてもおかしくない」と話しています。
県自然保護課によると県内では2019年に今帰仁村でジュゴンの死骸が発見されて以来、ジュゴンの個体は確認されていないということです。
県は現在、目撃者などから情報を収集し、今後、関係機関と連携して久米島近海での生息調査も検討したいとしています。
