去年1月、羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突し海保機に乗っていた5人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は異例の2度目の経過報告書を公表しました。

去年1月の夜、羽田空港のC滑走路に着陸しようとした日本航空機と滑走路に止まっていた海保機が衝突・炎上し、海保機の副機長ら5人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会はきょう(25日)、去年12月に続き調査の途中経過を公表しました。

報告書では、今年3月に中部国際空港で夜間に滑走路に海保機の同型機を置き小型機やヘリコプターを使って、日本航空機から海保機が見えていたかを検証する実験を行ったことを明らかにしました。

1度目の報告書では、海保機の「衝突防止灯」と滑走路中心の灯火の色が同じ白色だったことを指摘していて、日本航空機のパイロットは滑走路上に海保機がいることを認識しづらかった可能性があります。

運輸安全委員会は現在、実験の結果を分析しているということです。

また、日本航空機内では非常脱出の際に騒音などで拡声器の音が伝わりにくく、一部の乗客は周りの客の動きを見て脱出していました。これを受け、日本航空機の同型機を使って、騒音の中で拡声器の音がどのように聞こえていたかの検証実験も行ったということです。

こうした実験の結果は、再発防止策や被害軽減策として明らかにしていきたいとしています。

運輸安全委員会が調査の途中経過を2回にわたり報告するのは初めてで、最終報告書について担当者は「再発防止に繋がるためなるべく早く出したいが、時期について断定的に申し上げるような段階ではない」としています。