
かんもく親の会のメンバーの1人、平良さん(仮名)。娘の朋花さん(仮名)は幼少期から場面緘黙の症状がみられたものの、本人の性格だと思い大学生になるまで診断は受けずにいたといいます。

▼平良さん(仮名)
「外に出ると極端に話すのは苦手で『挨拶しなさい』と促すような場面も多くて、なかなか声が出ない。なんとか自分で頑張ったんだと思います。小中高までは支援も受けずになんとか過ごせていた」
当時は「場面緘黙」という言葉もほとんど知られておらず、早期に適切な支援を受けることができなかったと話します。
▼平良さん(仮名)
「お家で普通なら大丈夫でしょ、そのうち治るでしょと言われていました。やっぱり自分の育て方の問題なのかなと思い自分を責めることもありましたね」
現在29歳になる娘の朋花(仮名)さん。今は少しであれば声を出せるようになり、支援を受けながら就職も果たしました。幼少期は周りに合わせようととにかく苦しかったと胸の内を語ってくれました。

▼娘・朋花さん(仮名)
「発表や音読をするときに声を出そうとすると喉に蓋がされたように声が出なくなり、授業の流れを止めてしまい、周りに迷惑をかけてしまうことが苦痛でした。場面緘黙という症状を理解していただき、過ごしやすい環境を作ってもらえることで安心して社会に出られる方が増えて欲しいと思う」
話さないのではなく話せない。親の会は、今後もその声に出せない苦しさを理解をしてもらうために活動を続けていきます。
▼沖縄本島かんもく親の会 白間将太 代表
「どんどん輪を広げていってもっと学校現場など専門の方だけでなく一般の方にもよく知ってもらえるようこういった啓発活動や発信を続けていきたい」

場面緘黙の症状は人によって様々ですが、「大人しい性格なだけ」「人見知りだから」と症状を見過ごされるケースも多いと言います。家では普通に話しているので保護者が気付かないことも多く学校現場などの支援が重要です。
「沖縄本島かんもく親の会」では、今後も理解を広げるために発信を続けたいとしたうえで、同時に当事者や家族同士でつながりを持てるよう定期的にイベントを実施していくということです。
興味のある方は親の会のインスタグラムかメールアドレス(kanmokuokinawa@yahoo.co.jp)にお問い合わせください。
