県内41市町村の魅力をお伝えする「わがまちLink41」。今回は、うるま市の山城地域で戦前から親しまれている「山城茶」という品種のお茶についてお伝えします。
山城茶はかつて生産農家がいなくなり途絶えてしまったのですが、ある移住者の男性が偶然そのことを知り、特産品として復活させたんです。
伝統のお茶に情熱を注ぐ男性を取材しました。

▼喜久本リポーター「うるま市石川にやってきました。こちらにある茶畑なんですが、ここでしか取れない希少な品種なんです」
一番茶を摘んでいたのは、静岡県出身の石川智史さん。元々は、自家焙煎の珈琲店を開きたいと沖縄に移住してきました。なぜ、今お茶を摘んでいるのでしょうか?

石川さんと、山城茶の出会いは5年前。耕作放棄されていた土地を借り受けた際、雑木林に埋もれる形で残っていた山城茶を見つけました。この場所はかつて山城茶を栽培していた茶畑でした。
▼石川智史さん「ここが最後まで残っていた茶畑だと紹介してもらったんですが、実際お茶の木は一本も見えない状態で藪に埋もれていました」

種が山城に持ち込まれたのは1935年。集落の100戸以上の農家が生産に携わり、地域の特産品になるほど盛んに栽培されていました。
しかし2015年、後継者不足や製茶機械が壊れてしまったことにより生産が途絶えてしまいます。
▼石川智史さん「途絶えたことを知って、この歴史の深さに“今ここで途絶えさせては絶対にもったいない”と感じました」
戦前から80年もの歴史がありながら途絶えてしまった「山城茶」を復活させたい。石川さんは、立ち上がります。
原野となっていた畑の草を刈り元の姿に戻しました。
▼石川智史さん「山城茶を後世に繋いでいくと、きっと沖縄にとっても地域にとっても有益なことになると思って、一生懸命作業を始めました」

数年かけて、回復した山城茶の茶畑。素朴で香り高く、カテキン量が多く含まれる茶葉が再びとれるようになりました。
▼石川智史さん「山城茶の特徴で葉が大きいというのがあります。あとは葉が厚い。台風に強い。病害虫にも強い。香りの特徴としてすごい香り高いお茶ができる」