「ただウィッグをもらうだけじゃなくて、自分たちがもらったウィッグがどれだけの人の思いがあるのか、どれだけ大変なことなのか、こうやってできるんだよというのを見せられると、ひとつの勉強になるかなと思って、今回同時に」

娘のためのウィッグを受け取った母・麻里さんも、美容室の鏡の前に座りました。

実は麻里さん、自身はヘアドネーションを行うため、3年間かけて髪を伸ばしていました。長い髪を、心陽ちゃんに切ってもらいます。



美容師 儀間聖子さん: 「がんばれ!結構固いよ」
心陽ちゃん: 「切れた!」



心陽ちゃんの母 麻里さん:
「この記憶が残っててくれれば、大きくなった時に線と線が繋がって、何か本人が感じ取ってくれるものがあればなと思うので、なかなかできない体験だと思うので良かったかな」

これから成長していく娘が、自分らしく生きていけるように。母の思いは心陽ちゃんのこれからに繋がります。

<取材MEMO>
心陽ちゃんは3姉妹。末っ子の陽莉ちゃんも同じ髪の悩みを抱えていて、母の麻里さんは陽莉ちゃんが大きくなるまでにまた髪を伸ばしてヘアドネーションをする予定です。
記事中に登場した下村医師によると、子どもの乏毛症の治療法は現時点ではないということで、髪に悩む子どもたちが少しでも前向きに生きられるよう、周囲の理解が大切だと話していました。(取材 仲田紀久子)