旅立ちのときを迎えた母と娘の物語です。白球を追いかけ、男子選手に負けじと野球に打ち込んできた女子中学生たちの奮闘を追いました。
女子硬式野球の普及をめざして、県外の社会人・大学チームなどを招き開催された「女子硬式野球沖縄大会」。
沖縄で開催される年に一度の大会に挑んだ中学3年生たちがいます。
彼女たちは、各中学校で、男子選手に負けじと野球を続けてきた「沖縄県女子ジュニア育成会」です。
小禄星夢(おろく・らむ)主将
「元気があってみんな仲がいいチームです。少年野球から知っていた子たちがたくさんいるので仲が良かったので」
ことし1月に結成されたチームは、その半数の選手がこの春、女子野球部のある県外の高校に進学します。キャプテンを務める中城中3年の小禄星夢選手もその一人です。

小学3年生で野球を始めた小禄選手。その部屋は野球一色です。
小禄選手
「何をやっていても野球が一番楽しいので、ずっと続けたいと思って野球をやっています」
中城中では男子選手が多い中、キャプテンも務めました。でも女子選手だからこその悔しさも味わいました。
小禄選手
「中学校が一番つらかった。小学校は結構楽しかったんですけど…ね」

中学2年生ぐらいから感じ始めた、男子選手との体格やパワーの差。「先発」から「控え」に回ることが多くなりました。
母・さつきさん
「毎日努力している姿を見ているので、その悔しさもすごく伝わってくる。嫌なことがあったら、まず練習って感じで。悪いことはきょうまでって言って泣きながら練習したね」

家での自主練習にいつも付き合ってくれたのは母・さつきさんでした。
小禄選手
Qどんなお母さん?
「でもなんか普通の他の友達のお母さんとはちょっと違う、自分と似ているような友達みたいな感じです」
母・さつきさん
「星夢(らむ)が私に似たんだよ(笑)」

さつきさんも男性が多くをしめる職業についています。県内では数少ない、女性の板金塗装工として、女手一つで子育てをしてきました。
この春、娘は女子野球部のある鹿児島の高校に進学します。娘との野球漬けの日々を振り返ると…
母・さつきさん
「でも良かったです、一緒にいる間に、一緒にそういうことを味わえて。まさか高校で県外に行くと思っていなかったので、うん、ずっと一緒にそばにいられて良かったです」








