災害現場などにいち早く臨場し逃げ遅れた人を救出する「救助隊」。那覇市消防局では県内で唯一、救助を専門とする高度救助隊、通称「スーパーレスキュー隊」が活躍しています。その一員となるため奮闘する、消防士たちの挑戦を追いました
救助の最後の砦「スーパーレスキュー」怒号も飛ぶ訓練

那覇市消防局のスーパーレスキュー隊は県内の消防で唯一、「救助」を専門に活動していて、年間の通報件数は4万件近く、消防士1人あたりの人口が1000人を超える那覇市で、大規模な災害や事故の現場で最後の砦として活躍するため、過酷な訓練を積んでいます。
担当教官 野原智尚さん
「要救助者が取り残されているときに、レスキュー隊、救助隊はロープ一本で彼らを助けにいかないといけません」
この日は、建物の高層階で火災が発生したと想定した訓練ですが…

担当教官 下地壮佳さん
「良い装備してこんな空気も吸えてるのに、中で苦しい思いしてる人に対して『誰かいませんか~』ってそんなふざけた声しやがって。こんな元気ない救助隊なんて要らないです。今後ここには来てほしくないな。もっとできるだろ」
今年度、那覇市では78件・60人が火災に遭い、4人の死者が出ています。一刻を争う現場で、要救助者に一番初めに接触するのがスーパーレスキュー隊。

下地教官
「自分の命と、仲間の命と、仲間の家族の命と、要救助者の命と、要救助者の家族の命まで、お前たちの手でひとつだけじゃない、10以上の命をお前たちは担っていると思って何が何でも(要救助者を)引っ張ってこい」
教官の厳しい指導をうけ、訓練生は2回目の救助活動に挑戦しますが…。
「2名の要救助者救出完了、これから1階に搬送する」

2回目もまた、完璧にとはいかず、要救助者役の教官が忍ばせていた重りが、研修生たちを苦しめました。
訓練を行う 新垣雅志さん
「体力不足で明らかに下ろせないのが分かって、出した瞬間に要救助者を階段に移動できないという、本当は助けたかったんですけど、周りにサポートしてもらったんですけど、それが悔しかったです」