11月に開催された全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)の喫茶部門で、大分市在住の高橋夏姫さん(30)が金メダルを獲得しました。7年前から大会に挑戦していて、金賞の受賞は初めてです。

大分市の県立美術館2階にある「カフェシャリテ」の従業員、高橋夏姫さん(30)。軽度の知的障害があり、店ではホール内の接客サービスを担当しています。働き始めて9年目を迎えた店の中心スタッフです。

(高橋夏姫さん)「毎日元気よく、明るく、楽しく接客しようと心がけています」

明るい笑顔でハキハキとした接客を心がける高橋さん。食後のドリンクの提供や空いた皿を下げるタイミングなど、その目は常にお客さんへ向いています。

(客)「よく声が出ていて、一生懸命やっているところが好感度ありますね」「声かけもすごく丁寧でタイミングを見計らって上手にされていた。また接客してほしいなと思いました」

(高橋夏姫さん)「お客様側から『ちょっと早い、待って』って言われたことが時々あります。何年やってても難しい仕事ですね」

試行錯誤しながら高橋さんは日々、技術を磨いています。こうした客目線のサービスや丁寧な配慮は全国の舞台で高い評価を受けました。11月に開催された障害のある人が職場で培った技術を競う全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)。各地の予選を勝ち抜いた43人が出場する「喫茶サービス部門」で、高橋さんは接客内容や周囲とのコミュニケーションが評価され、初めて金メダルを獲得。全国大会への挑戦を始めて7年間の努力が実った瞬間でした。

(高橋夏姫さん)「名前が出た瞬間にとても驚きました。涙がぼろぼろこぼれました」

高橋夏姫さん

これまでに銅メダル2回、銀メダル1回を獲得。今回は3か月前から練習を重ねて念願の金メダルに輝きました。職場の仲間は彼女から多くのことを学んでいるといいます。

(職場の同僚)「高橋さんはリーダーシップがあって見習うとこが多くあって日々の業務の意欲になります」

今後は全国大会への参加には区切りをつけ、レストランでの通常業務を通してさらなる技術の向上を目指します。

(高橋夏姫さん)「明るい感じで、来店したお客様一人ひとりに気持ちのいい接客をし続けたい」

笑顔と元気、それに細かい心配りで客と向き合う高橋さん。そのひたむきな姿がこれからも多くの人に活力を与えていきます。