貸し会議室事業で国内最大手、ティーケーピーの創業者で大分市出身の河野貴輝さんに経営理念や今年、別府市に着手する再開発事業について聞きました。
河野社長:「(TKPグループの成長について)1か月50万円からコロナ前の2019年は60億円まで増えているわけですよ。これこそ雪だるま式経営というやつです」

大分市で行われた起業家の支援イベント。講演した河野貴輝さんは貸し会議室事業として創業したティーケーピーを業界最大手に急成長させた新進気鋭の実業家です。
河野貴輝社長:「新年に入ってティーケーピーの稼働もコロナ前の90%に回復してきました。飲食を伴うものもやっているんですけど、こちらは戻っていなくてまだ20%、30%の戻りですので4月・5月に一気にもどれるかがポイントです」
1972年に大分市で生まれた河野さん。大分雄城台高校を卒業するまで過ごした少年時代はやってみないとすまない性格で、すでに起業家としての下地が作られていました。
河野貴輝社長:「エジソンが大好きだったんですよ。いろいろなことを勝手に発明したり、化学や物理の実験したりしていましたし、生物もいろいろな動物を飼ったり増やしたりしていたので、そういった好奇心旺盛なところがビジネスにつながっていったのかな」
慶応大学を卒業したあと、伊藤忠商事を経て、オンラインの金融機関や証券会社の立ち上げに参画。河野さんが携わった2つの会社は有名企業としても知られています。こうした起業の実績を携え、2005年にTakateru Kawano Partnersの頭文字をとったティーケーピーを創業しました。

河野貴輝社長:「最初は取り壊しが決まっているビルとか使われていない空間がもったいない。使っていないところやワケありスペースを時間貸しの貸し会議室にして企業に貸していったのが始まりなんです」
貸し会議室事業が軌道に乗ると東日本大震災で需要が落ち込んだ飲食・ホテル業界にも事業を拡大。顧客単価を高めて業績を上げ続けることで、今では時価総額1000億円を超える企業に成長しました。
河野貴輝社長:「こうだったらいいのに、こうしたらどうなるのかシミュレーションは常に頭で実践して形にしていくのが快感なんですね。事業をする、考えるのが趣味なんですよ。事業を考えていってちゃんと世の中に残ると非常にうれしい」
ティーケーピーが新たに着目したのが別府海浜砂湯がある上人ヶ浜公園。入札で設置予定者に決まり、早ければ今年4月にも再開発に乗り出します。砂湯には温浴施設を併設するほか、アウトドアエリアや飲食・物販スペース、大分トリニータを活用したイベントなど新たなアクティビティで大分を盛り上げる考えです。

河野貴輝社長:「私はもったいないものを再生したいという思いで事業を展開しているので公園としての良さも残しながら別府のシンボリックな場所にしていきたい。ふるさと大分をもっと日本に世界に発信できるそれだけの観光資源があるので私がどこまでできるかわかりませんけど、私の力だけでもできることをやりたい、やれることはやろう」
