市場が鳴らす警鐘

解散決定直後から、金融市場が敏感な反応を示している。日本の債務残高は1100兆円に達し、これは年収300万円の個人が4000万円の借金を抱えている状態に等しい。欧米先進国の国債残高が税収の2〜5倍程度であるのと比較すれば、日本の財政状況の異常さが際立つという。

加藤氏は「日本は圧倒的に世界一の借金国なんです。国も人も会社も同じで、借金がいっぱいあるのにさらに借金が増えることをすると、信用がどんどん下がる。最終的には借金もできなくなる」と語る。

2023年までに7兆円台だった利払い費も、金利上昇の影響で2025年には13兆円に膨らむ見通しだ。同時に進んでいる円安が加速すれば、食料輸入が多い日本では、食料品の価格が上がり続け、減税による価格低下分は容易に相殺され、物価対策にはならないと予測する。

各政党とも、物価高に直面する家計にとって消費税減税が即効性のある支援策となることをアピールするが、一方で、巨額の財源不足や国債依存の拡大、金利上昇や円安といったマイナス面については口にしない。

構想日本代表の加藤秀樹氏

しかし、世界の金融市場は明らかにそのマイナス面の大きさに反応している。2022年にイギリスで起きた財源なき減税による市場混乱「トラス・ショック」のように、政治家の目が国内人気ばかりに向いていると、世界からダメ出しをくらうおそれは十二分にある。有権者には、メリットとリスクの双方を見極めた上での判断が求められている。