記録的な大雨による浸水が全国で相次いでいます。大分市は浸水の被害想定の調査結果をまとめ、ホームページで公開しています。

水害のうち、河川の氾濫による浸水には「外水浸水」と「内水浸水」の2種類があります。

「外水浸水」は、堤防の一部が決壊し、川の水が溢れ出して家屋が浸水する現象です。一方、「内水浸水」は、河川の水位が上がることで下水道や水路から雨水が排水できなくなり、雨水がマンホールなどから溢れ出して、住宅に浸水被害をもたらします。

大分市では、「内水浸水」への対応策として、被害想定地図を作成し、危険度マップをホームページで公開しています。

9月12日、三重県四日市市で記録的な大雨により「内水浸水」が発生し、地下駐車場に雨水が流れ込み、およそ270台の車が水没しました。「内水浸水」は近年、全国各地で発生し、被害をもたらしています。

2021年には、台風の接近により大分市中心部でも広範囲で冠水が発生しました。こうした状況を受け、大分市では2021年から「内水浸水」の被害想定調査を開始し、市内6つの地域で調査結果がまとまり、9月26日にホームページ上で公開しました。

(大分市上下水道局・関聖主任)「このマップを活用して日頃使う地区が浸水の危険がないかをいま一度確認して、将来的な浸水の被害に備えていただきたいです」

公表されたマップは、市内の「内水浸水」の危険度を5段階に色分けして表示しています。想定では大分市中心部でも浸水の危険性があることが分かります。住宅街が広がる大分市の中島地区では、1時間に140ミリの猛烈な雨が降った場合、2階の床下まで浸水する可能性があるとされています。

また、大分川に近い大分市元町では、被害が最も大きい最大5メートルの浸水が想定されています。

(関聖主任)「マップの着色があるところが浸水危険箇所で、着色がない白いところが浸水の危険性が低い場所です。避難の際は白いところを通って避難してほしい」

大分市では、今後この情報を各家庭に配布する防災マニュアルに掲載する予定です。被害が想定される場所を把握し、避難ルートを考えておくことが、「内水浸水」から身を守るために重要です。