大分市の漁港で8月、高齢夫婦が乗った車が海に転落する事故があった。近くにいた男性3人が目撃し、迅速な判断と行動力で夫婦の命を救った。
救助にあたったのは、いずれも大分市在住の河崎貴司さん(47)、竹内章訓さん(33)、織田拓海さん(29)。3人は8月30日午後4時ごろ、大分市佐賀関の漁港で釣りを楽しんでいた際、約30メートル離れた防波堤から車が海に転落するのを目撃した。

救出に向かう途中、3人は「車の窓をどうやって割ろうか…」と考えながら走ったという。現場に着くと、窓はすでに開いていて、沈み始めた車から高齢夫婦が自力で脱出。3人は協力してライフジャケットを投げ入れ、竹内さんの船で引き上げた。夫婦は運転を誤って海に転落したとみられ、けがもなかった。
河崎さんは「海の仕事をしているので、とっさに判断できた。命も救えたので良かった」と話す。
竹内さんも「みんなで協力し合って冷静に行動できたのが何よりだった。2人が無事だったのが一番です」と振り返った。
24日は、大分東警察署で感謝状の贈呈式が行われ、亀岡和茂署長は「一般の方々の協力があってこそ、我々の任務も果たせていると改めて実感させられた。今後も協力をお願いしたい」と述べ、3人の行動をたたえた。

このほか、SNS型のロマンス詐欺を防いだ女性2人と、迷子の6歳児を保護した男性にも感謝状が贈られた。