別府市民から反対が相次いでいることを受けて、市は鍋山地区で計画していた「東洋のブルーラグーン構想」を断念。医療・美容・健康に特化した新事業へ移行することを表明しました。
(長野市長)「大切な人々の心を不安にし分断してまで推し進めることは正しい道ではないと判断しました。ここは一旦立ち止まり東洋のブルーラグーン構想を鍋山エリアで実現する議案を撤回いします」
ブルーラグーン構想は大分県別府市鍋山地区で温浴施設を備えた公園を整備する計画で、今月の定例市議会に1500万円の調査予算案を提出していました。しかし、市議会の常任委員会は温泉資源への影響を懸念する声が相次ぎ、予算案を否決。旅館組合など市内の複数の団体も反対の意向を示していました。
こうしたなか、長野恭紘市長は14日、会見を開き、市議会に提出しているブルーラグーン構想の調査予算案の撤回を表明しました。
(長野市長)「強い願いを持っている人たちが私の近くでさえもたくさんいらっしゃった。日頃から会話している人たちでさえそう思っていることに気づいていなかった。そこに関しては率直に反省すべきと思いました」
長野市長は「計画の本質が市民に伝わっていなかった」として、ブルーンラグーン構想を「新湯治・ウェルネスツーリズム事業」に変更。医療や健康などに特化した観光を推進するため、拠点施設を整備する方針です。拠点施設には温浴施設も整備され、鍋山地区以外の市有地から新たな候補地を選定します。
(長野市長)「市内で泊まる、市内で過ごす、食べるのも市内で食べる各施設を中心としたプログラム展開でみなさんで協力しながら全体としてウェルネスツーリズムで稼いでいく」
別府市は16日の市議会本会議で900万円に上る新たな調査予算案を提出する方針です。