静岡県で通園バスに園児が置き去りにされた事件から1週間。幼児保育の現場では動揺が広がり安全対策を強化する動きも出ています。大分県内の現状を取材しました。
大分市にあるえのくま幼稚園では3台の送迎バスを毎日稼働。3歳児から5歳児までおよそ80人が利用しています。
(えのくま幼稚園・長田文生園長)「非常にショックを受けています。去年も同様の事故がありまた今年ですからあり得ない事故かと思うが、他人事でもない」
静岡県牧之原市で通園バスに取り残された園児が熱中症で死亡した事件は国も対策に乗り出しました。
(小倉将信こども政策担当大臣)「万全の対策を講じるためにですね、関係府省を集めてスピード感をもって対応していくように総理から指示がございました」
会議では再発防止に向けた緊急対策を10月中にとりまとめることになりました。
えのくま幼稚園では、園児がバスから降りる時に職員が人数を確認。その後、車内の点検を行います。さらに運転手が車内を清掃しながら園児が取り残されていないか、再度チェックしています。
(運転手)「掃除しますんで、確認も一緒にできますね」
バスを利用する子どもの登園状況は、職員がまとめて入力します。欠席については、担任が毎朝10時までに登園状況と欠席連絡を照合。「連絡がないのに登園していない子ども」がいないか、しっかりと確認します。
さらに園ではバスの車内のチェック体制を強化。園長自らが点検するトリプルチェックを始めました。
(えのくま幼稚園・長田文生園長)「(子どもは)座席の下とか隅の方に潜るので、大人が思いもよらないような場所をしっかり確認する。幼稚園や学校は安全第一です。システムを導入してますけど、最後は人間の目、複数の目で確認する。これが原始的だが一番大事」
県内の保育園・幼稚園など653施設のうち103施設で送迎用バスを導入していますが、国の方針を受けて県はこうした施設を対象に安全管理の実施状況を点検するよう指示しています。