ただ、国東市では通知の遅れに伴う影響は少なかったといいます。

国東市危機管理室 元永和行室長:
「通知があると市内全域で防災行政無線で市民への周知を努める。事前に河川の状況を複数人で見ていた中だったので、ダムの放流も合わせて対応できたので影響はなかった」

緊急放流で甚大な被害が出たのが2018年の愛媛県です。2つのダムで緊急放流が行われ、逃げ遅れた男女5人が亡くなりました。

今回、安岐ダムの下流域にある屋那瀬地区では住宅の浸水被害が発生。県は現在、緊急放流の影響について調査中としていますが、地元住民からは、通知の遅れの改善を求める声が聞かれました。

屋那瀬地区

(住民)「緊急放流が早く分かるといいですね」「雨がここだけじゃなくて他のところもすごかった。ダムだけのせいとは思えない」「早めの放流ができなかったのか。もう放流の仕方だけです。それだけ考えてやっていただきたい」

県は今後、緊急放流の事前通知を確実に行うため、雨量の予測精度の向上に取り組みます。

県河川課 山口政義防災調整監:
「急激な水位上昇で結果的に事前通知が遅れることになったので、改善策としてよりよい高予測データの入手、高精度の洪水予測の改善を図っていきたい」

緊急放流の事前通知の遅れは最悪の場合、人命が失われる事態につながるため、行政は激甚化する災害に対応しながら規則を守ることが求められています。