高見さんが今回の訓練で捉えたかったひとつがオスプレイです。オスプレイは大分空港にも過去2度にわたり緊急着陸、去年11月には鹿児島県沖で墜落し搭乗員8人が死亡する事故も起きています。

日出生台では今回、国の要請に反してアメリカ軍のオスプレイによる夜間飛行が確認されました。
高見剛さん:
「オスプレイがどんどん飛んできているが、由布院の街の中で観光客にいるところに落ちたら大変なことです」
さらに今年は沖縄で相次いで発覚した性的暴行事件を受けて不安の声も住民からあがっていました。
(住民)「沖縄の少女が暴行された。気をつけてもらわないと困る」
ここ日出生台にアメリカ海兵隊の訓練が移転したのは、1995年に沖縄で起きた少女暴行事件がきっかけでした。

根強い反対の背景には決して忘れられない過去も。終戦直後から11年間、演習場にアメリカ軍が駐留した歴史などをまとめた文献にはこう記されています。
「静かな村は一変。占領軍による婦女暴行事件が起きた」
辛い記憶は住民の心にいまも深く刻まれています。

(地元住民・衛藤洋次さん)「日出生台の負の時代だったんだと思う。いまだに沖縄で続いているのがびっくりしたし、残念でならない」
移転以降、海兵隊による訓練の頻度が増す中、高見さんは記録していくことの可能性を信じています。
高見剛さん:
「1人の人間がちょっと撮影してっていうことは別に大したことじゃないかもしれないけれど、みんなが一緒に考えて、できるだけ早く、軍事力によらない平和を作っていく方向へ舵を切ってほしい」
日出生台演習場では来年1月から3月の間に16回目となるアメリカ海兵隊の実弾射撃訓練が行われる予定です。