体のあざを公表、反響も…
大学を卒業後は、スイミングコーチや病院職員などの仕事に携わってきましたが、2015年に転機が訪れます。自身のSNSにあざの写真を投稿したところ、大きな反響がありました。
首藤さん:
「いつか何かの役に立つだろうと考え、娘に体の写真を撮ってもらっていたんです。そしてフェイスブックに載せてみようかなと思い、僕みたいな人もいるよと何気なく出したんですよ。そうしたら世界中からコメントがいっぱい来ました」

同じ悩みを持つ人からの相談など数多くのメッセージが届き、首藤さんはできる限り返信しました。一方で、『裸になって金目当てか』『遠山の金さんみたいで笑える』『キモイものをネットに流すな』などと誹謗中傷もあったといいます。
応援してくれる人や家族がいるから立ち止まっても後退しても必ず前に進める…そう確信し、首藤さんは差別や偏見を受けてきた自身の体験談を絵本にして、人権に関する講演活動を行うようになりました。

首藤さん:
「同じようなあざのある男の子と会話したことがあって、その子は夏でも絶対に長袖を着ていたそうです。自分がこれまで体験したことを伝えたあと、一緒にランチに行くことになったんですが、その子が自ら半袖に着替えてきました。その時の両親はとてもびっくりしていましたね」
「隠すという行為は、自分を失っているよということを当事者に伝えてきました。講演で『あざがあるだけで僕は普通の人なんです。あなた方のお子さんも普通の人なんです』と言った瞬間にお母さん方が号泣していた。親が普通と思わなくて誰が普通と思うのか…そういう話をする活動をしていました」