大分県別府市内の公園に長い間、備え付けられていなかったトイレットペーパーが15年ぶりに備えられるようになり、市民から驚きや歓迎の声が上がっています。設置に至った背景を探りました。
遊具で遊ぶ子どもたちやウォーキングをする人など大勢の人が日常的に利用する公園。そこには多くの場合公衆トイレが併設されています。
しかし、別府市では…
(市民)「どこも無いです」「小学生の時とか困りました」「トイレに入って、無い、どうしようってなって、持っているティッシュとかで」「たまに行ったりするんですけど、(紙が)無いなって思って、行けなかったりすることがあります」
公園のトイレを利用する別府市民を悩ませていたのがトイレットペーパーです。

(糸永敦記者)「別府市内の公園にあるトイレです。ごく普通の公衆トイレなんですが、中をのぞいてみますと、トイレットペーパーがありません。実はこれまであえて設置していなかったというのです」
別府市では37ある公園のうち、盗難やいたずら防止の観点から34の公園のトイレでは少なくとも15年にわたってトイレットペーパーが置かれていませんでした。
しかし、こうした状況に7月、ついに変化が…
(別府市・長野恭紘市長)「トイレにトイレットペーパーが無いとかっていう状況っていうのは、当然ですけどいいわけがないので、7月末までに全ての公園のトイレにトイレットペーパーを配置します」

別府市はこれまで長年にわたって設置していなかった34の公園でトイレットペーパーを復活させました。従来の公園の維持管理費から費用を捻出し、およそ28万円をかけて、トイレットペーパーやホルダーの取り付けにかかりました。


しかし、なぜこのタイミングで復活するすることになったのでしょうか。
(別府市公園緑地課・橋本和久課長)「公園を最も利用する小学生がどのような公園に対して希望、要望があるのか、今後生かしていきたいと思ってアンケートをとりました。1番多かったのが今回のトイレットペーパーを設置してほしいという要望だった」
別府市は6月に公立の全ての小学校14校、およそ4800人の児童にアンケートを実施して、トイレに関する調査でトイレットペーパーの設置を求める回答が全体で最多となる35%以上にのぼりました。

この声に応え、別府市は7月末までに全ての公園にトイレットペーパーの設置を完了しました。
長年、紙がないことに慣れていた別府市民に伝えると…