不登校の小中学生は年々増加していて、昨年度は全国で29万9048人と過去最多を更新しました。このうち学校の内外で相談を受けていない児童生徒数が約11万4000人に上り、生徒指導上の喫緊の課題となっています。こうした中、不登校の子どもたちを支援する「学びの多様化学校」が大分県玖珠町に開校します。公立では九州初です。どんな教育を受けられるのか取材しました。
不登校の子どもたちが急増
廃校となった小学校の跡地を活用し、この春開校する玖珠町立「学びの多様化学校」。不登校の子どもたちを対象にした小中一貫の義務教育学校です。以前は「不登校特例校」と呼ばれていましたが、去年から「学びの多様化学校」に名称が変わりました。文部科学省が指定する正式な学校で、年間の授業時間数など柔軟な教育課程を編成することができます。
去年4月時点では全国で24校設置されていますが、九州には公立の学校はなく、私立高校しかありませんでした。

公立では九州初となる「学びの多様化学校」の開設に向けて、玖珠町では急ピッチで準備を進めてきました。検討開始から1年足らずという異例の速さで開校を目指す背景には、コロナ禍以降、不登校の子どもたちが急増している実態があります。
玖珠町教委 梶原敏明教育長:
「学校を作るのには2年3年かかるのを1年で作るというのは行政側から見ると非常識だが、誰一人残してはならないし、今の子どもは今しかない学校に入れない。子どもたちに別の選択肢を増やせればということで多様化学校を作ろうと思った」