商取引の基準として“脱炭素”に取り組んでいるかが問われ始めた
SDGsへの関心の高まりとともに“脱炭素への取り組み”の有無が 取引先として選ばれる基準の1つにもなっています。
このうち、三菱重工では、CO2排出を減らす新技術の研究・開発が進められています。

三菱重工はおよそ120年の歴史を誇る『総合研究所』を長崎市に構えていて、今後、カーボンニュートラルの研究開発拠点にしたいと考えています。


三菱重工 外野雅彦 長崎造船所長:
「元々、長崎工場は石炭火力発電所をメインとする火力発電部門というところと、船の部門がメインでございました。総合研究所も、それらの(カーボンニュートラルに関する)研究開発が非常に得意でございます。
いわゆる『技術の蓄積』我々が取り組んできました『製品の技術』を積み上げております。そういう技術を活用して“脱炭素の開発”をする」
三菱重工が現在進めている研究には主に3つの柱があります。
外野雅彦 長崎造船所長:
「アンモニアとかバイオマスを進めていくとともに、CO2を回収してそれを有効利用したり貯蔵するというこの技術開発に取り組んでいます」

▼木のチップなどを使った『バイオマス燃料』は、これまでの化石燃料と比べCO2排出を削減することができます。

▼『排出されたCO2を回収』する技術も開発が進んでいて、回収したCO2を利活用に回すサイクルの実現が期待されています。

▼燃焼時にCO2を出さない『アンモニア』は、次世代の燃料として注目されています。研究所ではアンモニアだけを安定的に燃焼させるバーナーの試験に成功し、温室効果ガス(NOx)排出を抑制できることが確認されました。
来年度までにバーナーの試験を終了し、国の内外の火力発電所への導入を目指します。
三菱重工 長崎造船所 外野雅彦所長:
「当然『脱炭素』というのは “地球規模の課題”と認識をしておりますので、そういう所にきちんと答えると。技術のリーディングカンパニーとしてこれを進めるために取り組んでいるところでございます」