■ 課題はコスト

住吉:
”クリーンなエネルギーを安定して供給” できて、”地域経済に対してもプラスの効果” が見込まれるということで、これからの展開に期待したいところなんですが、普及に向けた課題は何でしょうか?

平家:
発電コスト』の問題です。洋上風力発電にしても、潮流発電にしても、陸上の発電と比べると『施設の建設・設置費用』が高く、かつ送電のために”海底ケーブル”を敷設しなければならないため、発電にかかるコストが他の発電と比べて高いのが現状です。

例えば資源エネルギー庁の試算によると、1キロワットあたりの発電コストは──
・石炭火力が12.5円
・原子力が11.5円
・事業用の太陽光が12.9円(いずれも2020年時点)
となっているのに対して、洋上風力は 30円2倍以上になっています。

住吉:
商用化に向けてはコスト(効率化)が課題と言えそうですが、世界的な脱炭素の流れを踏まえると、今後ますます注目される事業であることは間違いなさそうですね。

平家:
今後、再生可能エネルギーのコストは、技術の進歩とともに下がっていくことが期待されます。
皆さんも、日頃お使いの電気がどのような形で作られているのか意識しつつ、五島などでの新しい形の発電の進み具合に興味を持ってもらえればと思います。
こうしたことが長崎から地球の環境を守っていく大きな取り組みに発展していくことを期待したいと思います。

住吉:
ウイークリーオピニオン、平家達史NBC論説委員とお伝えしました。