■ 潮の流れが速い海底に発電機を設置
住吉:
もう一方の『潮流発電』こちらはあまり聞きなれない言葉ですね。
平家:
潮流発電は日本ではまだあまり知られていませんが、海外では以前から注目されていて研究もかなり進んでいます。
こちらも五島の海で去年から1年間におよぶ実証実験が行われ、今年3月から実用化に向けた新たな段階に入っています。


去年1月、長崎港に到着した国内最大級の潮流発電機。
環境省の委託を受けた『九電みらいエナジー』が、この発電機を使って五島の海で実証実験を行いました。

九電みらいエナジー 寺崎 正勝 常務取締役「潮の流れを使って電気ができるということを広く皆さんに知っていただきたい。"地産地消型の再生可能エネルギー" の一つとして期待を持っていただければと思っています」

潮流発電は、”潮の干満によって生まれる海水の流れ”を利用し、海底に設置した発電機の羽根を回して電気を作ります。

潮の流れが ”遅い” と『発電効率が悪く』、逆に ”速い” と『発電機の負担が大きく』なります。五島市の奈留瀬戸はその中間で、潮流発電に適していたことから実験の場に選ばれました。
潮流は天候に左右されないため、太陽光や風力と比べ 安定した発電が期待できるほか、地震や台風などの災害にも強いことがメリットとされています。

およそ1年にわたる実証実験で、計画通り500キロワットの発電と、安定した運転が確認された潮流発電。
九電みらいエナジーでは、次の実証実験で約2倍の発電規模を備えた発電機を設計・設置する計画で『潮流発電の早期実用化』を目指すとしています。