回転ずしとともに拡大した“サーモン生食文化”

【平】マルハニチロが全国3,000人を対象に行ったインターネット調査によりますと、人気のネタ第1位は「サーモン」だそうです。
【住】子供にも大人にも人気ですよね。

【平】大手回転寿司チェーン店『スシロー』の店舗数推移に、農林水産省の2010年以降の「さけ・ますの輸入量」を合わせると、回転すしチェーン店の店舗数増加に合わせるように、輸入量が大幅に伸びていることが分かります。
日本では、サケを“生”で食べる習慣ができ、国内に“生食用のサーモン”が流通するようになったことも、一因だと言われています。
休園したキャンプ場の土地と井戸水を“陸上養殖”で活用
その人気のサーモンを、“陸上”で養殖し始めた企業が東彼杵町にあります。

東彼杵町の山道を進むと見えてくるのが先月できたばかりの養殖場です。
トラウトサーモンが養殖されています。

平家:「お世話になります。よろしくお願いします」

泳いでいるのは、約3,000匹のサーモンたち。
養殖開始からおよそ1か月で100グラムから400グラムほどに成長したサーモンが、大きさ別に4つの水槽に分けられて飼育されています。

平家:
「陸上養殖を初めて見ますね。山の中で海にいるような魚が泳いでいるのが新鮮ですね」

NOMURA 野村 一社長:
「水は足りとるか、酸素はいいかとか…元気で生きてくれよとかそこだけですかね」

陸上養殖を始めた野村さんは大村市で介護施設を経営しています。
1982年に東彼杵町が整備したキャンプ場が、老朽化や利用者の減少で3年前に休園したの受け、去年、施設を購入しました。

敷地はおよそ10万平方メートル。
キャンプ場だけではなく、経営する介護施設の利用者にも食べてもらおうとトラウトサーモンの陸上養殖を始めることにしました。

野村 社長:
「できないできないと言ってたらずっとできないし。やっぱりそこを思い切ってね。ピョンと」

養殖に使う水は、キャンプ場の井戸水です。
1年中、水温が一定なので、水温が低い状態だと食欲が落ちるサーモンも安定的に養殖できるそうです。

陸上養殖の技術を野村さんに教えているのは、熊本で6年前からトラウトサーモンの陸上養殖を手がける平山 正さんです。

平山さんが熊本で孵化させ、およそ3か月半 海水で育てた稚魚をこの養殖場で育てています。
水槽に入ってから早くて10か月後には、出荷可能な1.5キロ以上に成長するということで、その生育スピードは自然界より2~3倍早いそうです。