部員獲得を目指し 噺家を招いた学内ワークショップも
2020年からおよそ3年間続いたコロナ禍は、大学の講義のリモート化やサークル活動の禁止など、学生生活にも大きな影響を与えました。
長崎大学の学生支援課によると、コロナ禍以前の2011年には長崎大学(全学)で223のサークルがありましたが「緊急事態宣言」があった2020年度には196に減少。
その後、コロナ感染が落ち着いた際には、1、2年生を中心に「できなかった分を取り戻したい」との思いから一時、サークルが複数立ち上げられたものの、上級生になるにつれて活動時間が取れず、“継続が困難”となって短期間で廃部したものもあり、今年度は180とさらに数を減らしているといいます。

『長大落研』も、新型コロナに伴う行動制限が緩和された昨年秋には、新たな部員獲得を目指し、卒業生でプロの噺家である三遊亭らっ好さんを学内に招き、学生対象の「落語ワークショップ」を開くなどしましたが、入部希望者はゼロ。
さらに今年4月の新歓活動でもSNSで情報を発信するなどしたものの、入部に至る1年生はおらず、千春さん以降の後継者は『不在』のままです。
止まない雨はない
今回の寄席の直前、地元新聞社が 1面で「長崎大学落研廃部の危機」という記事を掲載しました。それを見て驚いた卒業生も多く、9日の寄席には、遠くは東京から約20人の卒業生が来場しました。

現役2名という現状の中、寄席後に開かれた『現役と卒業生との交流会』では、卒業生から──
「コロナ禍を持ち堪えてくれて本当にありがたい」
「無理しない範囲で“長大落研”を継続して貰えると嬉しい」
「自分達のサークル活動を楽しんでほしい」
「できる限りの支援をしていきたい」
「止まない雨はない」など、現役を励ます声が聞かれました。
しかし、長崎大学学生支援課によると『サークル数減少』の背景には、コロナ禍での『活動全面禁止』など人的交流が制限されたことが大きな要因の一つではあるものの、別の側面も考えられるといいます。