コロナで打撃を受けた波佐見町の観光バス事業者が、コロナ禍3年目で始めた新たなチャレンジです。

■ 笑顔を届ける仕掛け バスにキッチンつけたなら…


新栄 山脇 慎太郎代表取締役「ずっと走れなかった分をこのバスを通じて色んなところに出向いて行って、皆さんが笑えるような、そういったところを目指して」

このバスには"仕掛け"があります。

山脇さん「どうぞ」
仕掛けは車内にあります。


山脇さん「洗い場と、これは茹で麺機ですね。パスタ茹でたり、ラーメン、ちゃんぽん茹でたりとかガスコンロが5口ありまして、こちらは冷蔵庫、台下は冷蔵庫ですね。で、ここからお客様にお渡しする」


キッチンが備わっているバスなんです!
つくったのは長崎県 波佐見町にある新栄。観光バスの運行や旅行事業を行う会社です。


この2年あまり、新型コロナの影響で大きな打撃を受け、売り上げは、7割から9割以上減少しました。

山脇さん「(観光)バスっていうのがほとんど動かないような状況で。日々、自分の中でもどうしたらいいのかっていう部分もあったんですけども、歩みだけは止めないように」

■ 挑戦を支える信念「旅はみんなを笑顔にする」

全長9メートルある古い路線バスを買い取って改装。
調理設備は、中古を集めました。
様々な場所に出向き、色々なジャンルのシェフに料理を提供してもらう『旅するレストランバス』です。

その名も…


山脇さん「グリル&ギフトです!(ロゴマークは)GとGでテーブルを囲んでる感じです。食事とか、旅っていうのが、皆さんにとって、すごい元気になるキーワードだと思って。少しでも、バス会社として、旅行に携わる者として、こちらから届けていく」

従業員も運行を待ちわびていました。


従業員「わくわくですね。どんな展開になるのか楽しみなんですけどね」
従業員「活躍の場ができたらですね」

新たなチャレンジを支えるのは一つの信念です。
車体には英文のメッセージ。

”旅はみんなを笑顔にすると信じてる”

■ 日替わりシェフが腕を振るう ”食事しながら笑って頂く”

社長の山脇さん、この日は波佐見焼の窯元を訪ねました。
グリル&ギフトで、料理を提供する際に使う器選びです。

中善 販売企画部長 中尾 絵美さん「めっちゃ使いやすかったっちゃんね、この器。家で実際にいっつも使いよっと」
山脇さん「バスの中やったら…」
中尾さん「そうね、重なりの良かったりとかせんば、あれやもんね」
山脇さん「スペースの問題で、いいのかなって」「波佐見焼の良さを知って頂いたりっていうのも自分たちの仕事でもあるのかなと思うので。PRしていったりとか。是が非でも」
中善さん「嬉しいですね」


中善さん「砂利道、気を付けんばよ。割れるよ(笑)」


ゴールデンウィーク。3年ぶりに行われた陶器まつりで波佐見の町は賑わいました。新栄の観光バスも、お客さんを乗せて会場と駐車場を行き来し、久しぶりに大忙しです。

山脇さん「いらっしゃいませー」


陶器まつり会場に停められたグリル&ギフトでは、期間中、毎日、違うシェフを招き、料理を提供します。

山脇さん「ガス大丈夫?」
中華料理『優』店主 宮崎 優一朗さん「大丈夫っすね」
山脇さん「本当?火力、命やろうけん」


この日は、川棚町にある中華料理店「優」の皿うどん。
同じく、コロナで打撃を受けた飲食店とタッグを組みます


宮崎 優一朗さん「嬉しかったですね。そういう飲食店にまで目を向けて頂いてたっていうとこに関して。協力させてもらいますって感じでしたね、もう。解放的で楽しいです」

お客さんは…というと、レストランバスのことはあまり気に留めることなく食事を楽しんでいる様子。
でも、それでいいんです。料理人とその料理を食べるお客さんが主役。バスは黒子。車体は、あえて目立たない色にしています。


山脇さん「(コロナ禍で)心の底から笑えるっていうのがなかなかなかったので、これからちょっとずつ、話しながら、食事しながら、笑って頂けたら、このバスをつくった意味があるのかなと思います。色んな方々の思いがあって僕も、うちの会社も、今日ここまで来られたので…その恩返しじゃないですけど…思ってます。(涙ぐむ)すんませんね、そう思ってます。」