”知名度ゼロ”から組織力で激戦を制した鈴木氏
当選から一夜、長崎市長選挙に初当選した鈴木 史朗さんは、取材対応やお礼回りに追われていました。

鈴木 史朗さん:
「結構、厳しい状況なのかなと思って暗い気持ちになってたんですけど、(事務所に)着いてすぐ”当確出た”と聞いたので、そこで感極まった」
国土交通省出身の55歳。中央行政での豊富な経験を持つ一方、36年間、長崎を離れていたことで、知名度ゼロからの選挙戦でした。

高校時代からの同級生・古賀 友一郎 参議院議員:
「ハラハラさせるねー。史朗らしかばい」

田上 富久 長崎市長:「おめでとうございました」
現職の田上市長が支援したほか、推薦した自民・公明の県議や国会議員もバックアップする「組織戦」を展開しました。

鈴木 史朗さん:
「市民の皆さま方の希望・期待に対してしっかり応えていく、その強い決意・覚悟を改めて持たせて頂きました。市民に声を届けるきっかけとして推薦・支持を頂いたと思っています」

田上 市長:
「市政をしっかり引き継いで頂ける方を選んで頂いたと思っています。鈴木さんらしく誠実に取り組んで頂けると思っています」
次点との差は1万500票あまり。人口減少や基幹産業の衰退が続く閉塞感で多くの市民が『変革』を求める中、現職の後継候補と捉えられた鈴木さんへの支持は伸び悩みましたが、「批判票」は分散したとみられ、組織力で激戦を制しました。

鈴木 史朗さん:
「批判票もたくさんあると思います。様々な意見、できるだけ多くの意見を頂戴することが、市政を正しい方向に導いていく事につながると思っています」
官僚として培った経験とネットワークで課題解決に取り組むとしている鈴木さん。新市長に求めることを聞きました。

女性:「長崎がどんどん新しくなってる今の時代に合わせた、新しい取り組みを期待したい。女性の活躍の場が広がる長崎になったらいいなと思います」

女性:「子育てにやさしいまちにして欲しいなって思ってます」

女性:「物価高が抑えられるようなことがあればいいかな」

男性:「もっと刺激がある政治をしてほしい。もっと市民の目に見えるようなことをせんと」

男性:「(長崎は)若者からすると魅力というか、給料面でもそうですけど(低い)。働きやすい環境と、交通の面。朝とか帰りに渋滞が発生するので、その辺をもう少し力を入れてくれたら」
一方、政党などへの推薦を求めず、対面やSNSのつながりで支持を訴えた前県議の赤木さんは及びませんでした。

●赤木 幸仁さん:
「組織の差を見ても、企業の推薦状況を見ても、ここまで競ることは本来はない選挙でした。”どうにかしてくれ”という声が、この結果につながったのではないかと思っています」