強制的に隔離されたハンセン病の患者
ハンセン病は「らい菌」に感染することで起こる病気で、皮膚の病変、痛さや熱さの感覚が失われる知覚麻痺、さらに悪化すると、体の一部が変形するなどの後遺症が残ることもある。
治療法が確立していなかった1907年、身寄りのない患者を療養所に収容する法律が作られ、1931年に制定された「らい予防法」で、患者を“強制的に隔離する”という政策が強まっていった。
もういいかい、骨になっても、まあだだよ
治療が困難で遺伝するという誤った認識、さらには後遺症による身体の変形などで、偏見や差別が助長された。
家族に迷惑が及ぶことを心配して、療養所に入所した際に本名や戸籍を隠した人もいた。

8歳の時に発症し菊池恵楓園に入所した太田明さん
「年に2回ほど父親が面会に来てくれました。しかし、中学校を卒業するまで一度も実家に帰省することはありませんでした。世界で一番遠いところが、自分の故郷になりました」
家族と絶縁状態となった入所者たち。ほとんどが療養所で亡くなり、遺骨になっても、故郷の実家の墓に埋葬されるということはほとんどなかったという。
太田明さん
「ある入所者がこんな詩を作ったんです。『もういいかい、骨になっても、まあだだよ』」








