去年12年ぶりに県のトップが変わった長崎県。2月の県知事選挙では、医師の大石賢吾さんが、4期目を目指した現職をわずか541票差で破り、初当選を果たしました。
当時39歳。現職の知事では全国最年少です。

大石知事は2022年を「駆け抜けた1年だったかもしれない」と振り返ります。

県政のかじ取りを任された大石知事に、就任2年目となる今年の県政の重点政策などを住吉アナウンサーが聞きました。
■ 西九州新幹線をめぐる課題について


大石賢吾 長崎県知事:
「新幹線開業を迎えましたけども、まだポテンシャルを高めていかなくちゃいけない。特に長崎にとっては“フル規格で全線開通”というところは、関係人口を増やしていく上でも重要だと思っていますので、そういった残された課題をしっかり実現していく、解決していくというのは私に課せられた責任なのかなと」


西九州新幹線は去年9月に開業したものの、新鳥栖ー武雄温泉間の未着工区間については整備方式が決まっていません。
住吉 光アナウンサー:フル規格にしていく道筋は?
大石知事:
「今、佐賀県と国の方で幅広い協議が行われています。その中で課題──ルートであったり、財政の問題、また在来線の今後の問題──そういったものが今整理されていると。

今後のメリットを(佐賀・長崎で)互いに享受できるような形が何なのかっていうところを具体的にお話しながら、落としどころを探っていくことを長崎県としても一緒にやっていかなくちゃいけないと思っています」

また大石知事は「新幹線が開業したことで、未着工区間についての佐賀県の議論が活発になったと感じる」といいます。

大石知事:
「実際使うユーザーの方々も一緒に新幹線に触れ合えた。これは非常に大きな変化があったんじゃないかなと思います。
新幹線のことをどうしていこうかという議論は、議論される場が増えてきているのはおそらく間違いないと思っていますので、それを経て、みんなが納得する形を目指していく」
■ 対立が続く石木ダムについて

川棚川の治水と佐世保市の水不足解消を目的に長崎県が進める石木ダム。およそ半世紀にわたって反対住民との対立が続いています。
事業の必要性については──

大石知事:
「第3案(の別の事業)で、解決できるものがあれば、それはそれがいいんだと思いますけれども、やっぱりいろんなものが複合的に重なったものの解決策として“石木ダムが必要だ”と(考えています)」

大石知事は就任直後、県政の重点課題として石木ダム建設予定地を訪れました。
これまでに反対住民と6度の面会を行ってきましたが、話し合いは依然平行線をたどったままです。
住吉:実際に言葉を交わして感じたことは?
大石知事:
「現地も歩かせていただいたんですけども、歩きながら『ここがこうなんよ』と色々な思い出もお話くださったりとかですね。それは強く感じますね。本当にふるさとの事を愛されているんだと。

繰り返しになりますけれども、それをしっかり受け止めた上で県民の安全・安心ということを守るのが行政の責務でありますので、その必要性については何とかご理解いただいて、ご協力いただけるように」

