■ コロナ禍で “人と会えない”そして“アクリル板不足”

作品『Feel the wind with you』
新型コロナで緊急事態宣言が出ていた時期を振り返り、制作しました。

緻密に削った線が、すりガラスでほとんど見えません。うまくコミュニケーションがとれないもどかしさを表しています。

徳永さん:
「人と会うことがなくなっていって。Zoomだったりとか画面を見ながら相手と話すっていうのでコミュニケーションをとっていたんですけど、やっぱりそれだと、伝わらないことがかなり多くって。9割ぐらいは伝わってないんじゃないかなって思って作った作品です」

新型コロナは、徳永さんにも大きな影響を与えました。

『アクリル板の仕切り』の需要が高まったことで、材料が手に入らなくなり、制作できない時期が半年ほど続いたのです。

徳永さん:
「『コロナが終わったらアクリル板あげるよ』って言ってくれるので。(コロナが終息したという)意味合いも含めて作品にまたできたらいいなと思ってます」

12月3日、個展に合わせて徳永さんのトークイベントが行われました。
今後の展望を語ります。

■ NYのギャラリーに作品展示「夢って結構叶いますよ」

徳永さん:
「最先端技術だったり、自分とは違う異業種の方と作品制作していきたいなと思っています。
アーティストとして社会とどう関わっていくかって考えた時に、私にとってはすごくいい形なのかなって」

徳永さんは今、アメリカ・ニューヨークに行っています。

日本の液晶ディスプレイメーカーが開発した“透明のディスプレイ”とコラボレーションした作品が、ニューヨーク有数のギャラリー街・チェルシーで展示されているのです。

長崎市でのトークイベントでは、後輩にあたる長崎日大高校デザイン美術科の生徒たちに言葉をかける場面もありました。

徳永さん:
「作品を通して色んなジャンルの人と会えるっていうことが、私は何よりも──作家をする前からそういうことをしたいと思ってたので『夢って結構叶いますよ』
なので、作り続けて頑張ってください」

男子生徒:
「海外とか大きいスケールで作品発表できて、で、なおかつ自分のやりたいことと色んな人と関われるみたいなところも、すごくかっこよくて」

女子生徒:
「私も、自分だけの作り方みたいなものを見つけてみたいなって思いましたね」

徳永さん:
「(後輩が)観に来てくれたっていうのが、なんか嬉しいですよね。始まりっていうものが、ここ長崎なので、それを見つめることによって“次の一歩”っていうものが見えてくるのかなって思います」

美術作家・徳永 博子さん ── 原点の長崎を見つめて世界に羽ばたきます。

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徳永 博子さんの個展は長崎市のココウォーク5階「KOMINKAN(コーミンカン)」で12月25日(日)まで開かれています。