15日の精霊流しを前に、長崎県内各地で精霊船の準備が進められています。長崎市では、長崎くんちの運営を長年支えてきた女性を送る船を親族が手作りしています。

「みよし」や「かじ」に、長崎くんちの各踊町や演し物が描かれた手ぬぐいがあしらわれています。

ことし4月、病気のため81歳で亡くなった、荒木孝子さんの精霊船です。「諏訪神社くんち踊馬場さじき運営委員会」でおよそ40年働き、事務局長も務めました。

長女・小曽根麻里さん:
「亡くなる時に『シャギリが鳴ってるよ、戻っておいで』って言ったら、2回ぐらい息を吹き返したんですよ。ですからやっぱり、本当に(くんちが)好きだったんだなと」

船は、先月から、子や孫たちが力を合わせて一から手作りしてきました。孫の時と同様に、ひ孫の誕生も喜び、とても可愛がっていたという荒木さん。

孫・荒木旺雅さん(25):
「ばあちゃんらしい船になったかな。とにかく甘やかしてくれた。最期は病院で寝たきりだったので。(精霊流しで)一緒に外を歩けるんで、楽しんでほしいなって」
孫・小曽根勇多さん(26):
「いつも色んなところ連れていってくれたよね」

現在ハワイで旅客機のパイロットとして活躍する孫の小曽根勇多さん。荒木さんは病と闘いながら、孫の夢を最後まで応援していました。

初孫・小曽根勇多さん(26):
「わざわざ(僕がいる)ハワイまで来てくれて。体調も良くなかったんですけど、僕が(旅客機のパイロットの)夢を叶える途中のステップに一緒に来てくれて、一緒に飛んだりとか。ここまでやってこられたのは、おばあちゃんがいたからだと思うので、その気持ちを忘れずにこれからも生きていきたいですね」

15日の精霊流しでは数々の思い出と感謝を胸に親族十数人で送ります。