「核兵器、捨てられる?」――長崎市の中学校で、核軍縮のジレンマを抱える国際会議を模擬体験する授業が行われました。

授業が行われたのは、長崎市立横尾中学校です。3年生38人が、【核兵器を持つ国】、【持たない国】、【頼っている国】に分かれて国際会議を展開します。講師は核軍縮の専門家、長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授。

長崎大学核兵器廃絶研究センター・中村桂子准教授:
「このまま放っておくと核戦争になってしまうかもしれません」
各国の代表となった生徒たちは、自国の立場から他国と交渉を重ねていきます。まずは代表質問ー

パープル国(核保有国)代表 ※100発保有:
「レッド国(核保有国)に質問です。核兵器を捨てられますか?」
レッド国(核保有国)代表 ※100発保有:
「そっちが先に核兵器を捨てるならこっちも捨てます」

国内で議論し、他国との交渉にのぞみます。
ブラック国(核保有国)国内の話し合い ※10発保有:
「パープルを孤立させれば勝ちじゃない?レッドと同盟組んで、パープルを孤立させよう」

パープル国→ブラック国へ交渉:
(パ)「レッド国と対立しとるわけやん?」
(ブ)「レッドと同盟組んだよ」
(パ)「え…」

ブラウン国(パープル国の核兵器に頼っている)→パープルと交渉:
(ブ)「レッドと仲良くする気はないの?」
(パ)「あるよ。お互いに捨てれば」
(ブ)「捨てようよ!」

中学3年生(パープル国担当):
「その立場になってみると、仲良くなれない気持ちも分かる」

中学3年生(レッド国担当):
「難しいです。めちゃ責任感も感じます」
長崎大学レクナ・中村桂子准教授:
「いまの現実の世界の縮小図だと思うんですね。どこまで突破口を開けるかをこの教室からやってみたい」

世界で対立と分断が深まる中、核兵器のない世界の実現を考えていく新たな平和学習です。