■ カリーレ監督の前と後で何が変わった?

岸 : V・ファーレン長崎は今シーズン11位でした。順位の変動を見てみましょう。

ちょっと最初、つまづきましたが、“11戦無敗”がありました。
そしてカリーレ監督がやって来ました。最後は4連敗があって…ちょっと苦しかったですか?
鍬 : 苦しかったですね。
岸 : チームの雰囲気としてはいかがでしたか?
鍬 : チームの雰囲気としては良かったとは思うんですけど、やっぱりなかなか試合に勝てなかったので、勢いだったり、自信というのは、ちょっとなかったのかなという風には感じます。

岸 : カリーレ監督をやってきて、新しいことに取り組んでいくという中だったと思うんですけれども、カリーレ監督はどんな方ですか?
鍬 : とても気さくな方で、選手のことをよく見てて、特徴とかもすごく理解してくれている良い監督だなと思います。
岸 : インタビューの受け答えなどもユーモアに溢れてますもんね。
監督交代で変わったところはどういうところでしょうか?
鍬 : 前だったら、大きく蹴ったりしていた時も、後ろからしっかりパスを繋ぐようになったことです。

岸 : カリーレ監督の就任前は、ゴールキーパーやディフェンダーがボールを大きく前に蹴りこんでいます。その後、パスが繋がらず相手に渡ってしまいました。全部が全部、こうしていた訳ではないんですが、こんなシーンが多くありました。
就任後は変わります。
小さなパスをつなぎます。ゴールキーパー、ディフェンダー、鍬先選手も受けて、小さなパスをつないで前に進んでいきます。どういう狙いがあるんでしょうか?

鍬 : 自分たちがボールを保持する時間を増やしたいんで。蹴ってしまったら相手ボールになる確率も高いので、しっかりと後ろから繋ぐということを意識しています。
岸 : 自分たちでボールを操る時間が増えました。鋤先選手も、周りに相手選手が多くいるという厳しい場面でボールが供給されるようになりましたね?
鍬 : そうですね。取られるリスクもあるんですけど、あそこで受けないとサッカーにならないので、そこは意識してます。
岸 : こういった部分をどんどん突き詰めて言っている段階だと。まだまだ進化を続けている段階という訳ですね。

カリーレ監督は、会見でこういう言葉を述べています。
35節、熊本戦のあとの会見です──

● 前線に大きく後ろから蹴るサッカーをするために長崎に来たわけではない
● ボールを地面につけてパスをつなぐサッカーをしている


岸 : 監督の会見では『ボールを地面につけてパスをする』とよく出てきますね?
鍬 : 練習中もよく言ってます。
岸 : 質の高いサッカーを、ということですね。進化が期待されるところです。