人口減少が加速する中、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の導入が進んでいます。特に労働力不足が深刻な離島や半島部では、デジタル技術を活用した業務効率化が重要な課題に。長崎県五島の製麺所では伝統の製法を守りながらDXを取り入れ、負担軽減と品質向上を両立。また、西海市では行政の効率化を目指し、生成AIを導入するなど、DX化への取り組みが加速しています。DX最前線を追いました。
加速する人口減少と労働力不足の現実
【住吉アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン今週も平家達史NBC論説委員(以下:平)とお伝えします。今回のテーマは「県内のDX化の現状」です。

【住】生産性向上や業務効率化に向けて、IT機器などの導入に力を入れているところが多いですね。
【平】県内企業でもデジタルを活用できる人材の育成やDX化が進められていますが、その背景にあるのが「人口減少に伴う労働力不足」です。
日本の人口は、2010年の1億2,806万人をピークに減少を続けていて、2040年には1億1,284万人、2070年には8,700万人と予測されています。
【住】労働力の要となる生産年齢人口はどうなるんでしょうか?
【平】(厚労省の高齢社会白書によると)15歳~64歳までの生産年齢人口は1995年をピークに減少していて、2040年には人口の55.1%(6,213万人)に減少し、深刻な労働力不足に陥ることが懸念されています。
【住】長崎県は、速いスピードで人口減少が進んでいるので労働力不足を補うための対策が急務だと言えますね。
【平】その解決策の一助となるのが、デジタル技術の導入=DX化です。
新上五島町にある五島うどんの製麺所では、製造工程にDXを導入することで、業務効率化を図ることに成功しました。後継者への負担を減らすことが、将来的な人手不足にも対応できると言います。