支えるのは島民と全国の有志たち

「カンカンカン」
この日レスキュー隊が行ったのは、石垣に網を掛ける作業でした。イノシシは網がかかった場所を避けるので、これで石垣を守ることができます。

滋賀県から参加した人:
「世界遺産になった所を守っていくことは必要だと思って参加させていただきました」

県庁職員:
「実際自分も体を動かしてということがないので、その点で普段の仕事とは違った保全への関り方ができていると思います」

この日、レスキュー隊の作業により、のべ250メートルの長さで石垣に網がかけられたほか、集落を覆っていた草が払われました。

作業に参加した大学生:
「なかなか人生で一回二回あるかないかのチャンス」
「貴重な体験できて恵まれてるな。やりがいありましたね」

世界遺産登録で一気に価値を高めた野崎島。しかし、高まった分だけ厳しい自然や時間の経過で失われていく痛みも大きくなります。そしてその保存は現状、小値賀町と一般の人の取り組みに支えられていました。

小値賀町教育委員会 山元忍班長:
「世界遺産を守っていかなければーというのが私たちの使命。今からやっていかないといけないことになってきます。当然自分たちだけではできない。世界遺産は皆さんの遺産でもありますので、一緒にこういった活動をさせていただきながら、来ていただいた皆さん、町民の皆さんにも少しずつ広まっていけばいいなと」

世界遺産認定から6年。認定の時の熱狂が薄れる一方で、構成資産そのものの劣化は着実に進んでいきます。人類の遺産である世界文化遺産、地域の宝をどうやって守っていくのか。野崎島に限らず、県内すべての世界遺産が抱える課題ともいえます。