電気・ガス・水道も契約…なぜばれなかった?

4月に入ると、電気・ガス・水道の契約を次々に自分名義で結んでいったのだ。なぜこの時点でばれなかったのだろうか?

大村市・九州電力・西部ガス・九州ガスに確認したところ、それぞれの契約手続きで「住民票」を確認することはない。名前・住所・連絡先は自己申告のため、実際に住んでいる人と支払う人が別でも契約は可能だ。親や子どもが使った分を別世帯の家族が支払っているケースも多い。名前や住所を伝えるだけで、男は空き家に電気・水道・ガスをひくことができたのだ。

「契約せずに無断使用している場合は、メーターなどで不審に気づける」ー各担当者は言う。一方で「契約手続きが正当に行われていたら、支払いが滞っていない限り問題があることを把握するのは難しい」と口を揃えた。インフラ料金を正当に支払いながら建物を不法占拠する今回の犯行は、各社・行政の《盲点》になっていた側面が見える。