『海を破る者』って誰やねん?

今村さん:
「元通りにしようと思ったのは、現実を僕たちはもう嫌というほど見せられてるし、それは考えていかなければならないことなんだけど、僕の小説はどうあるべきか?って考えたときには、やっぱり夢とか希望とか願いとか祈りとか、そういうものがしっかりあるものでありたいなって思いました。乗り越えたね、僕も一緒に六郎と一緒に」

今村さんが、読者に考えてもらいたいことは──

「この『海を破る者』のタイトルかな。絶対元寇の作品って聞いてたら、海を破って進んでくる敵を多分、想像するはずやねん。きっと。けど、最後までそうなのか?果たしてまた別の者を皆さん『海を破る者』とみるのか、そこらへんをぜひ読んだ後に考えてほしいなと」

早田紀子アナウンサー:「まだこれからも長崎は?」

今村さん:
「結構書くよ。結構書く、結構書く。(坂本)龍馬も書くって言ってるし。一番歴史作家がやりたくない材料なんですよね。やっぱり(司馬遼太郎の)『竜馬がゆく』があるからね。何書いても『竜馬がゆく』の方が良かった!って言われそうな気がするから。でも、せっかく《歴史小説家》になったという切符を得たならば、じゃあ一番、歴史小説の金字塔って言われるのは何だろう?って言ったら、やっぱり『竜馬がゆく』…よう挙がるんですけど、それに挑みたいなというか」

早田:「構想は?」

今村さん「そう。タイトルも何となく見えてきたかなーって」

長崎のみなさんへメッセージを──

今村さん:
「これからも長崎には度々来さして頂きますので、名前と作品名だけでも覚えていってもらえればと思います。皆さんどうぞよろしくお願いします」