外国人労働者・関係人口が増加

島原市民:

「出ていく方が多いいんじゃないかな」

「増えたも少なくなったもない。静かですよ。いい所です」

「私もそうなんですけど、結構、Uターンしてくる子とかも、30代の子たちで多かったりするのかなと」

人口およそ4万2千人。雲仙岳と有明海に囲まれた「水の都」島原市。今回の分析では2050年までの若い女性の減少率が48.4%と10年前から9.5ポイント改善し「消滅可能性」から抜け出しました。

《若い女性の減少率》が改善した要因について島原市の担当者に尋ねてみると…

島原市 地方創生推進班 金子拓生班長:
「今回、島原市が(消滅可能性自治体から)脱却したと発表はされたものの(若い女性の減少率が改善した)“要因としてこれ”っていう所はなかなか無くてですね。
ただ(人口減少対策については)色々、総合的に取り組んでいます。その中でも《少子化対策》や《移住定住に向けた取り組み》新規就農者増加のために《農地の整備》などを行っていることが評価されたのではないかと思います。
今回ギリギリ(若い女性の減少率50%)を超えているぐらいなので、まだまだこれから取り組む課題は多いのかなと(考えています)」

一方、“人口減少対策”につながっている要因の一つと見られるのが、外国人労働者の増加です。

大三東で農業を営む宇土和俊さんは、9年前から技能実習生の受け入れを始め、現在は東南アジア出身の5人を受け入れています。

住吉:仕事は大変ですか?

インドネシアから来たアルイさん(20)
「大変だけど楽しいですね。大将(宇土さん)とママは優しい人です」

十二番農園 宇土和俊代表:
「彼らはやっぱり実習生というだけあって、勉強をする意識があるから、すぐ私たちが納得いくぐらいの仕事はできるようになる」

島原市の在留外国人の数は去年590人と、この10年で3倍近くに増加。県内で5番目に多い受け入れ人数となっています。

一方島原市は、移住につながる可能性がある「関係人口」にも注目しています。

水脈 mioスタッフ「観光客の方は結構、土日とか大型連休に県外から来て下さる方も(いらっしゃいます)」

関係人口とは、ほかの場所に住みながらも地域とのつながりを持つ人々の事で、市はこの関係人口を増やして将来の定住に繋げたい考えです。

その足掛かりとして去年完成した「水脈 mio」は、島原市が所有する築170年の歴史的建造物を、ホテル、カフェ、コワーキングスペースに改装した施設で、運営は民間が行っています。

スタッフの安井さんは、この施設がきっかけで島原に移住しました。

水脈 mio 安井愛樺さん:
「1年前に島原に遊びに来て、最後ここにたどり着いて。私、その時、在宅で仕事をしていたので、Wi-Fiもあって電源もあって、ゆったりした過ごせる場所があってすごいなと。あまりに心が動いたことを自分が無視できなかったので、こっちに移住しようと」

「水脈 mio」では島原市による移住者相談会も定期的に開催していて、島原市の昨年度の移住者は過去最多の86人に上りました。

水脈 mio 南里史帆支配人:
「地元の方と観光客の方が交わる一つの拠点みたいな形に今後していけたらいいなと思っています」

島原市は今回の分析で「転入者を増やす対策が必要」と指摘されましたが、首都圏の企業を受け入れてワーケーションを行い、市民との交流会を行うなど積極的に移住に向けた取り組みを進めていてその結果が少しずつ出てきている印象でした。

一方で離島を多く抱える長崎県は若い女性の減少率が70%を超え、消滅可能性自治体と分析された自治体もあります。NBCでは今後も取材を続けていきます。