外国人観光客へのサービスや観光ガイドの育成に向けて

【豊】こうした課題を改善するには、個々の事業者の努力はもちろん必要かと思いますが、行政はどういった対策を考えているのでしょうか?
【平】具体的な取り組みや課題について、県の担当者に聞きました。

県文化観光国際部 国際観光振興室 高橋圭室長:
「食についてもう少し受入環境を整えていきたいという風に考えてございまして。来年度は飲食店を対象にして“キャッシュレス決済”を導入している飲食店、もしくは、その導入予定の事業者さんに対して、県として『多言語化メニューの支援』などしていきたい」

県が、おもてなしの強化を図る一方、いま観光・宿泊業界で一番の悩みのタネとなっているのが人手不足です。

県文化観光国際部 観光振興課 長野敦志 課長:
「人手不足がどうしてもあって、十分にご満足いただけるような体制が今後の課題になっているのかなと認識しております。
『業務の省力化』であったりとか、あるいは『デジタル化』『DXの活用』といった面で工夫をしていただいている所でございます。人材不足の部分をそちらで一生懸命カバーをしていこうと。
一方で外国人材の受入をしっかりとやっていこうと、業界の方ともお話をさせていただいています」

【豊】相次ぐ外資系ホテルの進出などで、ハード面は整ってきたものの、ソフト面ではまだ課題が残りますね。

【平】メニューの多言語化支援や外国人材の受入れは良い政策だと思います。留学生の活用もあります。今はスマホで簡単に翻訳できるアプリがありますので、こうしたツールを使うことも即効性があります。

また、長崎ではバスガイドが激減しています。このままでは修学旅行にも対応できないことが起こりかねません。これに対しては『有償ガイド』の育成も必要ですが、そのためには「観光+語学」のコースを高校や大学で作ることも一案だと思います。外国の観光地のように『観光ガイドで生計がたてられる街』に長崎がなれれば良いなと思います。

【豊】まだまだやるべきことはたくさんありそうですが、変化する旅行者のニーズに柔軟に対応していく必要がありますね。