おととしに発覚した宮崎県串間市の官製談合事件の裁判で、官製談合防止法違反などの罪に問われた元副市長に対し、宮崎地裁は無罪を言い渡しました。

判決を受けたのは、串間市の元副市長、福添忠義被告(82歳)です。

判決文によりますと、福添被告は、おととし行われた市発注工事の指名競争入札に関して、すでに有罪判決を受けた業者ら3人と共謀し、特定の業者に有利な選出案を市職員に作成させた罪などに問われました。

これまでの裁判で、検察側は懲役1年6か月を求刑したのに対し、弁護側は「特定の業者に落札させなければならない関係性や事情はなかった」などとして無罪を主張していました。

宮崎地裁で開かれた10日の判決公判で、設樂大輔裁判長は「指名業者に関する情報を提供したことは入札の公正を害すべき行為に当たる」と指摘。
しかし、「親しい知人に選出方針の概要を伝えたにすぎず、故意や共謀が認められない」などとして無罪を言い渡しました。

判決後、取材に応じた福添氏は。

(串間市 福添忠義元副市長)
「(気持ちの)整理ができていませんので、先生方と相談しながら、また機会がありましたら、話をさせていただきたいと思います。2年以上経った問題でありますし、静かに余生を送らせていただきたいと思っています」

宮崎地検は、「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントしています。