22日夕方、霧島連山の新燃岳が7年ぶりに噴火しました。
専門家は「水蒸気噴火と考えられる」とした上で、「立ち入り禁止区域に立ち入らなければ、普段通りの生活を送って構わない」としています。

気象台は、22日午後4時ごろ、高原町で降灰があったと通報を受け、その後、4時37分に監視カメラで新燃岳の噴火を確認したと発表しました。

噴煙は、火口から500メートル以上に上がり、高原町、小林市、それに国富町など6つの市と町で降灰が確認されました。

新燃岳で噴火が観測されたのは2018年6月以来、7年ぶりです。

この噴火を受けて、ふもとの高原町では、警戒が続いています。

(担任教諭)
「もし、またきょう噴火が起きたりしたら、ヘルメットを外して頭にかぶって帰ってくださいいいでしょうか?」
(児童)
「はい!」

大きな噴火に備えて、町内の6つの小中学校では児童生徒に登下校時はヘルメットを持ち歩くよう呼びかけられました。

(児童)「何かあったときは、ヘルメットをかぶって帰る」

(高原小学校 武田 透 校長)
「新燃岳というのが身近なところで存在している山でもあるので、自然と仲良く一緒に暮らしていくことも含めて伝えていきたいと思っている」

一方、農家は、ビニールハウスの屋根に積もった灰を洗い流す作業に追われていました。

(農家 隈元栄一さん)
「早く灰を取らなきゃ生育に影響するからですね。続けて爆発しないのを祈るだけですね」

また、あじさい園でも灰の除去作業に一苦労です。

(こうはらあじさい園 高原清男さん)
「掃除ができる分はしておくけど、自然はこういう花の咲き方も自然の成り行きやから仕方ないでしょうか。その辺はあきらめています」

噴火を受け、町は、23日正午から高千穂峰と矢岳につながるあわせて3つの登山道への立ち入りを独自で規制しました。

今回の噴火について、九州大学地震火山観測研究センター、松島 健教授は、普段通りの生活を送っても構わないとしています。

(九州大学地震火山観測研究センター 松島 健 教授)
「今のところ水蒸気噴火にとどまっていますので、立ち入り禁止区域に入らないということを徹底していただければ、普通の生活をしていただいて問題ない。特段に避難を始めるとか、旅行を取り止めるとか、そういうようなことはしなくてもいいんじゃないかと思います」

気象台は、現在、噴火警戒レベル「2」を維持したまま、火口からおおむね2キロの範囲では警戒するよう呼びかけています。(※23日午後6時現在。気象台は、噴火警戒レベルを23日午後6時半に「3」に引き上げ)