大雨が降って土砂災害の危険性が高まった際には、警戒レベル3に相当する「大雨警報」やレベル4に相当する「土砂災害警戒情報」が発表され、これらの情報をもとに市町村は、高齢者等避難や避難指示を出すことになっています。


自治体の避難場所の開設は、どのタイミングでという統一された決まりはなく、各市町村の判断になっています。

宮崎市や都城市に聞いたところ、「高齢者等避難」を出すタイミングをベースにしつつ、被害が出ているかや台風接近の時間帯などで柔軟に対応しているということです。

こうした中、延岡市は、土砂災害の危険性が高まる早い段階で、一部の避難場所を開設する新たな取り組みを始めました。
どのような狙いがあるのでしょうか?

去年10月、記録的な大雨に見舞われた延岡市。
1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられ、浦城町では、住宅の裏山が崩れ、50代の女性が亡くなりました。

こうした急変する気象状況の被害を教訓に、延岡市が新たに打ち出したのが「優先開設避難場所」の開設です。

(田尻怜也記者)
「延岡市にあるこちらの施設も『優先開設避難場所』に選ばれています」

延岡市天下町(あもりちょう)にある「市水防センター」。
優先開設避難場所として60人の受け入れが可能で、水やブルーシートなどの備蓄品も備えられています。

(延岡市災害支援課 遠田幸宏さん)
「公共施設であれば、地域の住民も普段から集まりやすい・避難しやすい・分かりやすい場所ということで、地域バランスを考慮して(優先開設避難場所)13か所を選定した」

延岡市は、土砂災害については警戒レベル4相当の「土砂災害警戒情報」が発表されるタイミングで避難場所を開設していますが、13か所の優先開設避難場所はレベル3相当の大雨警報が出て、その後も雨が降り続く場合、開設することにしています。

避難情報の発令にかかわらず、土砂災害の危険性が高まる早い段階で13か所の避難場所を開設し、速やかに身を寄せられるように対応します。

優先開設避難場所は、土砂災害や河川の氾濫などのリスクが高い地域で開設され、市の担当者は何より住民の防災意識が重要と呼びかけます。

(延岡市災害支援課 遠田幸宏さん)
「(優先開設避難場所の)情報を受け取ったら、みなさんの状況に合わせたタイミングで早めに避難をお願いしたい」

優先開設避難場所の開設が決まった場合は、市のホームページやSNS、それに防災無線などで周知されることになっています。