夏の高校野球宮崎県大会です。決勝に勝ち進んだのは宮崎西と富島で、13年ぶりに県立高校同士の対戦となります。

27日の決勝を前に2チームの戦力を分析します。

ノーシードから勝ち上がり宮崎西


まずは、ノーシードから勝ち上がり初めて決勝に進んだ宮崎西。

3回戦で第2シードの日南学園との接戦を制すとそのまま勢いに乗り、準々決勝では大会屈指の投手擁する都城商業を相手にコールド勝ち。

さらに、準決勝では、第3シードの都城泉ヶ丘に一時は5点差をつけられたものの、脅威の粘りを見せ、結果、コールド勝ちを収めました。

今大会5試合のチーム打率は3割3分5厘で、1試合の平均得点が8.2と攻撃力が光る宮崎西。
その中心を担うのが4番の吉留拓海選手で、打率は5割を超えています。

(宮崎西 吉留拓海選手・3年)
「今まで自分たちは日南学園に憧れてきたので、そういう高校に勝てたのは、一番チームの勢いに繋がった。あと1勝というところに迫って来ているので、あとは、みんなを信じて、自分の打席でめいっぱい振って頑張りたい」

進学校であるため、平日の練習時間は基本2時間と、メリハリを持って力をつけてきた宮崎西。
校舎では勉強だけ、グラウンドでは野球だけに全集中し、初めてとなる夏の甲子園出場を目指します。

(宮崎西 永田夢人主将)
「富島、練習試合では勝てなかった相手だが、当たって砕けろの気持ちでチャレンジャーとして食らいついていく。このチームでまだ1試合でも多く試合をしたいので、夢の舞台である甲子園、チーム全員で勝ち取ってみせたい」

3年ぶり2回目の夏の甲子園出場を目指す 富島


一方、第8シードから勝ち進んだ富島。

準々決勝では第1シードの日章学園との延長戦を制し、準決勝は小林西を4対2で破りました。

注目は、4試合中3試合を完投した絶対的エースの日高暖己投手。

準々決勝では今大会最速の148キロをマーク。
さらに、キレのあるフォークも操り、自責点はわずか2、防御率は0.53と相手打線を封じ込み、チームに勝利をもたらしてきました。
また、バッターとしても今大会の打率が5割8分3厘と、まさに二刀流の活躍を見せています。

(富島 日高暖己投手・3年)
「課題にしていた立ち上がりが、0点で抑えられているのでその部分はいい。今日の疲れをあすとあさってに残さないかが重要になってくる。自分のピッチングで相手を圧倒したい」

一方、女房役の日柳永遠選手も日高投手の持ち味を最大限に引き出すため多くの努力をしてきました。

(富島 日柳永遠選手・3年)
「冬の練習でマシーンを使って、体の正面で止めたりする練習を、何度何回も繰り返してきた。(日高投手は)試合を重ねるごとにどんどんギアが上がっていってすごいと思う。ほかのチームにいたら嫌なピッチャーだが、自分にチームにいるのでやっていて楽しい」

今大会、さまざまな「シンカ」を掲げて成長してきた富島は、3年ぶり2回目の夏の甲子園出場を目指します。

決勝戦のポイントは


決勝戦の解説者で、宮崎県高野連顧問の三原武博さんは、決勝の見どころを次のように分析します。

(宮崎県高野連・顧問 三原武博さん)
「県ナンバーワンの日高くんが決勝まで来たというのと、ミラクル西みたいな感じでシード校でない宮崎西高。
強いチームを食って、ことごとく撃破して、決勝まで来たと、びっくりするような勢いを持ったチーム。どこまで日高くんがあの(宮崎西の)勢いを止められるか。
あと、(宮崎)西高は、あの日高くんの剛速球、それから多彩な変化球に全員で向かって点を取ることができるのか。
その辺がやっぱり一番のポイントではないですかね」

勢いに乗る宮崎西か堅い守りの富島か。甲子園への切符をかけた運命の決勝戦は、27日、プレーボールです。

決勝戦は、27日午前10時からひむかサンマリンスタジアム宮崎で行われます。