この時期、本来は仕込みの最盛期を迎える石川県の酒蔵も、能登半島地震で大きな被害を受けました。能登町の酒造会社に支援の手を差し伸べたのは、宮城県の酒蔵でした。
津波で浸水した「数馬酒造」 手を差し伸べたのは宮城の酒蔵

石川県能登町宇出津にある数馬酒造。海から200メートルほどの距離にある酒蔵は津波に襲われ、泥水が流れ込みました。断水が続いていて、片付け作業も思うように進んでいません。
こうした中、支援を申し出たのは、直線距離で350キロ以上離れた宮城県の新澤醸造店でした。

新澤醸造店・杉原健太郎専務
「こちらがお酒のタンク。今この中にお酒が入っているが、数馬酒造から引き受けたもろみを弊社で搾ってそれが今こちらに入っている」
新澤醸造店は1月17日、片道10時間以上かけて数馬酒造を訪れ、日本酒になる前の「もろみ」およそ1トンを回収しました。酒造りができない数馬酒造に代わって、宮城県内で酒を搾り、瓶詰め作業を行うというのです。
杉原専務
「もろみは時間をかけて、手間暇かけてものすごくお酒にするまでに力を注いでいる。お酒にできないということは、酒造メーカーとしてものすごく辛いこと」
いち早く支援に乗り出した背景には、13年前の経験がありました。