1月10日、次々とヘリに乗り込む住民たち。石川県輪島市沿岸部に位置する南志見(なじみ)地区は、名舟町など11の町が集まる集落。地震の前は700人余りが暮らしていました。

馳浩 石川県知事
「帰れるようにします」
集落から集団避難した人
「帰っても…また地震があるかもしれない恐怖がある」
集落に残る選択をした住民
「現場を見ながら、復興の日々を自分の目でずっと見ておりたい」

全ての住民を対象にした、県内初の集団避難が行われた南志見。住み慣れた町をなぜ離れざるを得なかったのか、その背景に迫ります。

『なじみは壊滅的です』道路寸断・停電・断水・通信遮断…

元日の午後4時10分。揺れの直後、停電や断水に加え、通信も遮断、外部との連絡が一切途絶えました。南志見地区の名舟町では土砂崩れによる火災が発生し、2人が犠牲に。

南志見分団 小西昌貴 消防団員
「道が寸断されて消防車が来ない…結局、地元で対応せざるを得ない状況が非常にきつかった」

南志見地区は、県内で最大24あった“孤立集落”の1つになります。小学校や公民館に避難した住民に支援物資が届いたのは4日ごろ。このころようやく海沿いのごく一部のエリアでスマートフォンの電波がつながり始めました。


南志見分団 小西昌貴 消防団員
「1月5日ですね、やっと…」
消防団員の小西昌貴さん。南志見中学校の同級生から安否を気遣うメッセージが300通近く届いていました。『とりあえず生きとる』と、そう返すのがやっとでした。


『なじみは壊滅的です』『今日昼に給水車が来た。人力でしか届けられない集落にどう運ぶかが課題』(LINEの内容)

馳浩 石川県知事(記者会見)
「ネットを通じて“ここに誰がいる”“この孤立集落はまだ来てない”など。情報をもとに、自衛隊を先頭に救助に入っています」

孤立集落の存在が次々と明らかになっていきます。